「少量だから断られた」「試作品の加工が難しいと言われた」「納期が間に合わないと困っている」
このような悩みを抱えている開発担当者や設計者の皆様、実は多いのではないでしょうか。
大量生産が主流の製造業界において、少量生産や一点ものの試作品加工は、多くの会社が敬遠しがちな分野です。しかし、有限会社榊原工機では、この「少量生産・試作開発」こそが我々の最も得意とする領域なのです。
今回は、なぜ榊原工機が小物部品の少量生産や試作開発において、お客様から絶大な信頼を寄せられているのか、その理由を詳しくご説明いたします。
多能工エンジニアが実現する究極の柔軟性
一人で複数の技術を駆使する専門家集団
榊原工機のクリエイティブなものづくりを支えているのが、「考えて動く多能工のエンジニア」たちです。彼らは単に機械を操作するオペレーターではありません。自ら最適な加工法を考案し、実行できる高いスキルと判断力を持った専門家なのです。
一般的な工場では、オペレーターが特定の機械操作に特化していることが多く見られます。旋盤専門、マシニング専門、ワイヤーカット専門といった具合にです。
しかし、榊原工機のエンジニアは違います。旋盤、マシニング、ワイヤー加工など、複数の加工技術に精通した「多能工」なのです。この多能工であることが、少量・試作という毎回異なる課題に直面する現場で絶大な威力を発揮します。
トラブル対応力の実例
例えば、ある部品の加工中にトラブルが発生したとします。従来の専門分業制では、「この工程は旋盤担当者がいないと進められない」「マシニングの担当者が休みだから明日まで待って」といった事態が起こりがちです。
しかし、多能工エンジニアなら違います。特定の工程に縛られることなく、複数の視点から解決策を検討し、柔軟に工程を変更できるのです。「旋盤加工で予定していた部分を、マシニングで対応しよう」「ワイヤーカットを使えば、もっと精度が出せそうだ」といった臨機応変な判断が可能です。
材質を問わない幅広い対応力
また、我々のエンジニアは単なる技術者にとどまりません。素材の特性を熟知し、「材質を問わず様々な加工に対応」できるプロフェッショナルです。
鉄系の材料から、アルミニウム、ステンレス、チタン、さらには樹脂材料まで、それぞれの特性に応じた最適な加工条件を見つけ出します。この広範な知識と経験が、お客様が持ち込む多種多様な材料や形状の試作品に対し、高精度な製品へと昇華させる原動力となっています。
個々のエンジニアが持つ深い知見と経験が、榊原工機全体の柔軟な対応力を支えているのです。
豊富な設備群が支える無限の可能性
戦略的な設備投資による対応力
多能工エンジニアの能力を最大限に引き出しているのが、榊原工機が誇る「バリエーション豊かな設備群」です。少量・試作では、特定の加工機械だけでは対応しきれない複雑な形状や、特殊な加工が必要となるケースが多々あります。
我々は、この課題に対し、多種多様な設備を戦略的に導入することで対応しています。
具体的には、5軸加工機、複合加工機、ワイヤーカットなど、最新鋭の設備が充実しているだけでなく、汎用性の高いマシニング加工機やNC旋盤もバランス良く備えています。この設備ラインナップの豊富さが、まさに我々の「柔軟な小ロット生産」を実現する基盤となっています。
緊急対応を可能にする設備運用
例えば、こんなケースがありました。金曜日の夕方に、あるお客様から「月曜日の朝一番に必要な部品がある」という緊急依頼が入りました。通常であれば、「週明けまでお待ちください」となるところですが、我々は違います。
5軸加工機は他の案件で稼働中でしたが、すぐにマシニング加工機と旋盤を組み合わせた工程を組み立て、土曜日には加工を完了させました。これにより、お客様の月曜日の朝一番という要求にお応えできたのです。
このような臨機応変な生産体制を構築できるのも、豊富な設備群があってこそです。お客様の「手のひらサイズ」の小物部品から、金属、樹脂を問わず、あらゆる加工依頼に対応することが可能となっています。
設備投資の考え方
我々の設備投資は、単に最新機械を導入するだけではありません。「どのような組み合わせで使えば、最大の効果を発揮できるか」を常に考えています。
一台の高性能機械ですべてを賄おうとするのではなく、複数の機械を組み合わせることで、より柔軟で効率的な生産体制を構築する。この戦略的な運用が、他社では対応が難しいとされる多品種少量、試作案件を受け入れる土壌となっているのです。
機械部品加工の駆け込み寺として築いた信頼
お客様から寄せられる最後の砦
榊原工機は、お客様から「機械部品加工の駆け込み寺的存在」と呼ばれることがあります。これは、他社で「加工に困った」「納期に困った」といった難題に直面した際に、最後に頼れる存在として認識されている証拠です。
この信頼は、前述したクリエイティブな思考、多能工エンジニア、そして多様な設備が三位一体となって機能することで築かれています。
包括的な問題解決能力
「いろいろ相談するよりも榊原工機1社で解決できることが多い」
これは、実際にお客様からいただいた言葉です。我々は単に加工を引き受けるだけでなく、お客様の抱える「加工に困った」「納期に困った」といった問題を、包括的に解決する能力を持っています。
試作開発の段階では、予期せぬトラブルや仕様変更が頻繁に発生します。「図面通りに加工したけれど、組み立ててみたら干渉する」「材料を変更したいけれど、加工法も変わるのか」といった課題です。
このような変更や修正に対しても、我々は柔軟かつ迅速に対応します。なぜなら、多能工エンジニアと豊富な設備群があれば、ほとんどの課題はその場で解決できるからです。
品質への徹底したこだわり
「精密切削加工のプロ」として、品質に対する徹底したこだわりも、お客様の信頼を支える重要な要素です。
我々は、少しでも基準に満たない製品は、躊躇なく作り直します。「まあ、これくらいなら大丈夫だろう」という妥協は一切しません。特に試作品においては、後の量産に繋がる重要な基準となるため、品質への妥協は許されないのです。
お客様への最終的な製品の品質に対する揺るぎないコミットメントが、「駆け込み寺」として信頼される理由の一つでもあります。
お客様との密なコミュニケーションがもたらす成功
直接対話を重視する理由
少量・試作において、お客様との密なコミュニケーションは成功の鍵です。なぜなら、図面だけでは伝わらない「本当に必要な機能」や「使用環境」「緊急度」といった情報が、最適な加工法を決定する上で重要だからです。
榊原工機では、メールのやり取りよりも、直接電話での相談をお勧めしています。「社長はお話し好きなので、メールで返信を待つより、電話して事情を説明することをお勧めします」と、よくお客様にお伝えしています。
電話相談で見えてくる真のニーズ
実際に、電話でお話しすることで見えてくることがたくさんあります。
「実は、この部品は試作段階で、仕様が変更される可能性があるんです」 「量産を考えているので、将来的にはコストダウンも検討したいのですが」 「今度の展示会で使いたいので、外観の仕上がりにもこだわりたいんです」
このような背景や要望は、図面やメールだけでは把握しにくい情報です。しかし、直接お話しすることで、「それなら、こういう加工法の方が良いですよ」「将来のことを考えると、この材料をお勧めします」といった、より適切な提案ができるのです。
情報提供による関係性構築
我々のウェブサイトには「プロに聞きました」シリーズと題して、お客様が抱えやすい疑問や課題に対する具体的な情報を豊富に掲載しています。
・急ぎの部品加工のコツ ・見積依頼のポイント ・品質認識のギャップ解消法 ・よくあるトラブル事例と対処法
これらの情報提供は、お客様が発注する上での不安を軽減し、よりスムーズなものづくりプロセスを築くための取り組みです。事前に情報を共有することで、お客様との信頼関係を深め、より良いものづくりに繋げています。
まとめ:榊原工機が選ばれ続ける理由
有限会社榊原工機が小物部品の少量生産・試作開発において選ばれ続ける理由は、単一の要素ではなく、複数の強みが有機的に連携していることにあります。
クリエイティブな思考プロセスにより、常に最適解を追求する姿勢。多能工エンジニアによる柔軟な対応力。豊富な設備群が支える無限の可能性。「駆け込み寺」として築いた信頼関係。そして、お客様との密なコミュニケーションによる課題解決へのコミットメント。
これらすべてが調和することで、他社では対応が困難な案件にも応えられる体制を構築しています。
「少量だから」「試作だから」「急ぎだから」と諦める前に、ぜひ一度、榊原工機にご相談ください。我々の「頭を旋盤のように高速回転」させる思考と、「考えて動く多能工エンジニア」の技術力で、きっと解決策を見つけ出します。
お客様のものづくりに対する情熱を、我々の技術力で形にする。それが榊原工機の使命であり、これからも決して変わることのない揺るぎない信念なのです。

